タイトル
著者 |
出版社 |
形態 |
発表年(初出) |
源頼朝
(全2巻)
吉川英治 |
講談社 |
文庫 |
1940 |
|
「新平家物語」の準備段階的小説。大長編は読むのがタイヘン、という方にはこちらがおすすめ。ただし、「いまから盛り上がるのに!」というところで終わってしまいます(都落ちあたり)。あと、重要キャラであるはずの弁慶が出てきません。かわりに吉次が出ずっぱり。義経は純で無欲で一途、かわいいの何のって。ごうつく吉次もメロメロです。源頼朝というタイトルなのに、頼朝よりも義経のほうに重きが置かれているような気がしてならない。
★★★★ |
源頼朝
物語と史蹟を
訪ねて
永岡慶之助 |
成美堂 |
ソフトカバー |
1979 |
|
頼朝の生涯を知るための入門的小説。旗揚げに至るまでのドラマにかなりのページが割かれています。逆にそれ以降の鎌倉幕府創建のいきさつなどはちょっとダイジェスト的。しかも頼朝の物語と銘打ちつつもその臨終まで描かず、義経が死んだ時点(奥州討伐)で終了。その後も御家人衆や朝廷とのゴタゴタとかいろいろあるのに。史蹟めぐりにはとても便利な一冊です。
★★★ |
武蔵坊弁慶
(全10巻)
富田常雄 |
講談社 |
文庫 |
1951〜55 |
|
NHK水曜時代劇化(1986年)
※1986年にソフトカバー版も出版
大長編の時代劇ですが、弁慶ファミリーを核として物語が展開するため流れが把握しやすい。何といっても主役は弁慶、スーパーマンばりの大活躍、しかもモテモテ。本人は恋人の玉虫ひとすじですが。弁慶が出張るぶん義経がちょっと、いやかなり情けない。でも守られる無力な義経というのもいとおしい。弁慶の一途な忠愛も泣かせます。そしてちょっと注目ポイントは、嫌われ者「寄生虫」行家が、なぜだか妙にカッコよく好人物に描かれているところ。冷静で潔くてとっても頼れる叔父ちゃんだよ!(信じられない)
★★★★ |
武蔵坊弁慶
(全4巻)
今東光 |
学習研究社 |
ハードカバー |
1977〜78 |
|
※徳間書店より文庫版も出版
ごめんなさい未読… |
弁慶
村上睦郎 |
新人物往来社 |
ハードカバー |
1982 |
|
ごめんなさい未読… |
弁慶
物語と史蹟を
訪ねて
水野泰治 |
成美堂 |
ソフトカバー |
1986 |
|
弁慶の生涯が、義経記や伝承などをベースに、わかりやすい物語にしてあります。弁慶ゆかりの土地や寺社なども多数紹介されており、史蹟めぐりがしたくなる一冊です。
★★★★ |
弁慶罷り通る
佐竹申伍 |
光風社 |
ソフトカバー |
1986 |
|
ごめんなさい未読… |
闇の弁慶
〜花の下にて
春死なむ〜
中津文彦 |
祥伝社
ノン・ポシェット文庫 |
文庫 |
1990 |
|
弁慶が、命の恩人である謎の人物「闇の殿」の導きに従い、義経を擁護して源氏の再興を図るべく暗躍する物語。さてその「闇の殿」とは誰でしょう?あの有名な人ですよー。
★★★ |
後白河院
井上靖 |
新潮社 |
文庫 |
1972 |
|
ごめんなさい未読… |
義経の母
安西篤子 |
集英社 |
文庫 |
1986 |
|
義経の母・常盤御前の半生を描いた物語。ふつうの少女だった常盤がその美貌のために時代の奔流の只中に巻き込まれつつも懸命に生き抜いていくさまが胸を打ちます。そんな彼女を見守り続ける幼馴染みの弥平太もまたけなげ。そして清盛がイイ男!女の一代記にありがちなグチっぽさもなく、読後感が何ともいえずすがすがしい。ただし義経の出番はあんまりないです。
★★★ |
陸奥黄金街道
〜小説金売り吉次〜
三好京三 |
学陽書房・人物文庫 |
文庫 |
1991 |
|
ごめんなさい未読… |
もののふの大地
〜義経と河越一族〜
堀和久 |
新人物往来社 |
ハードカバー |
1992 |
|
ごめんなさい未読… |
源義経の妻
藪景三 |
新人物往来社 |
ハードカバー |
1993 |
|
ごめんなさい未読… |
蒲桜爛漫
〜頼朝の弟・義経の兄
源範頼〜
堀和久 |
新人物往来社 |
ハードカバー |
1999 |
|
義経の異母兄・源範頼を主人公にした珍しい小説。性格善良・頭脳明晰・とびきりの美貌etc、徹底的に範頼が美化されてます。対する義経はまったくの引き立て役。性悪でバカでブサイク。バカな弟義経に足を引っ張られ冷たい兄頼朝には信じてもらえず、ああなんてかわいそうな範頼!というお話。範頼大好き!義経大嫌い!という方には文句なくおすすめ、読んでせいぜい悦に入ってください。(トゲトゲしいなあ)
★ |
源義経と静御前
〜源平合戦の華
若き勇者と京の舞姫〜
中島道子 |
PHP文庫 |
文庫 |
2004 |
|
『源義経と静御前』という連名タイトルではありますが前半3分の2くらいまで静は一切登場せず、オーソドックスな義経の生い立ちが語られます。静御前の可憐で一途な女心、またそれに共感する人々の思いがストーリーの軸となる後半は、静と大姫との間に生まれたわずかな心の交流、寂光院での建礼門院と静のニアミスなど、派手ではないけれど繊細な筆致で丁寧に描かれており、読後感がとても優しい作品です。
★★★ |
霊鬼頼朝
高橋直樹 |
文芸春秋 |
ハードカバー・文庫 |
2004 |
|
義経・頼家、実朝、公暁…源氏の血が滅びてゆく 武者どもの夢と、壇ノ浦、平泉、鶴岡八幡宮の悲劇
「無明の将軍」「平家の封印」「奥羽の風塵」「源太の産衣」の四作収録。メインタイトルとはうらはらに頼朝はあまり本編に出てこず、義経や頼家・実朝など頼朝の周辺人物が主役です。源氏一族の運命に不吉な影を落とす頼朝という人物の不気味さ、そしてその悲しい生きざまが、義経らの生涯を通して描かれています。義経は粗野で軽薄な言動の裏に深い悲しみを背負った純粋な青年という役回りで、「平家の封印」と「奥羽の風塵」に登場します。
★★★ |
義経の龍虎
風野真知雄 |
新人物往来社 |
ハードカバー |
2004 |
|
藤原秀衡の命で奥州から義経につき従った佐藤継信・忠信兄弟。一ノ谷、屋島、壇ノ浦合戦の義経軍大勝利は、佐藤兄弟による騎馬戦法にあった。佐藤兄弟を通して描く義経の悲劇と人間像!
只今読書中… |
源家の海
入江康範 |
廣済堂出版 |
ハードカバー |
2005 |
|
義経は操り人形だった!義経をかくまう藤原秀衝と西行の目的は?そして、奥州十七万騎を動かして、頼朝を潰そうと企む朝廷の主。傀儡人形・義経の、最後の戦いとその真実!
権謀うずまく源平争乱の裏側でひそかに糸を引いていたのは西行だった!という大胆な設定の小説。奥州の藤原秀衝と肝胆相照らす仲の西行法師は、きたる源平争乱に備えて鞍馬の遮那王(義経)に「僧正ヶ谷のお師匠さま」として武術を教え、奥州に導きます。やがて戦場で活躍するも兄に追われる身となってふたたび奥州に逃れてきた義経と奥州の地を守るため、秀衝と西行はある策をめぐらせる…。西行の残したさまざまな歌のなかに実は義経へのひそかな哀惜の思いが込められている、という斬新な解釈にはおどろかされます。
★★★ |
義経と郷姫
〜悲恋柚香菊
河越御前物語〜
篠 綾子 |
角川書店 |
ハードカバー |
2005 |
|
知られざる義経の正妻の愛と生涯。清新な着眼と端麗な才筆から、新しい歴史ロマンが誕生した!/頼朝の政略によって畠山重忠との初恋を奪われ、義経の正妻となった郷姫は、運命の変転に翻弄されつつも、波乱の人生を自らの節義を求めて、気高く美しく生き抜いていく。源平の戦いと頼朝・義経兄弟の争いの渦に巻き込まれた、知られざる歴史のヒロインを、新鋭作家が描く書下ろし長編小説
只今読書中… |
浄土の帝
安部龍太郎 |
角川書店 |
ハードカバー・文庫 |
2005 |
|
後白河院は、大天狗だったのか?濁世に、心の王たらんとした帝がいた!/この世を浄土にしたかった帝。帝の権威さえ揺らいだ末法の世。自らの存在理由を、後白河帝は民衆とのつながりに求めた。
只今読書中… |
七人の弁慶
森 詠 |
双葉社 |
ハードカバー |
2005 |
|
新説義経弁慶伝・力を合わせて平家を倒せ!/弁慶は、なぜ七つ道具を背負っていたのか?そして、なぜ武士でもない弁慶が、ひたすら義経に忠義を尽くし、命がけの戦いに身を投じたのか?新しい歴史観で解き明かす、弁慶の正体と義経の真実!
弁慶の七つ道具は職能民衆たちの象徴であり、弁慶はそんな彼らを束ねる頭領だった!傀儡師・浄慶(吹き矢)、土工の大慶(槌)、葦原一族の尚慶(薙鎌)、渡辺党水軍の龍慶(刺股)、熊野水軍の湛慶(熊手)、杣一族の仙慶(斧)…武家でも僧兵でもない第三の武力軍団として七人の「弁慶」たちが朝廷を守るべく暗躍!その一方、弁慶は美しく心優しい主義経に不穏な感情を抱いてしまいモンモンと悩む。でも大丈夫!義経は実は…なのでした。このふたりがイイカンジになり弁慶たちがようやく活躍しはじめる一ノ谷で物語が終わってしまうのが残念。と思ってたら続編が出てた!↓
★★★ |
続 七人の弁慶
森 詠 |
双葉社 |
ハードカバー |
2006 |
|
義経に仕え、七つの道具で知られた弁慶。しかし、この弁慶、実は七つの職能集団の代表者だった!『七人の弁慶』の続編にして完結編。一ノ谷の決戦以降の七人の弁慶衆、義経の活躍をダイナミックに描く歴史ロマン。
ごめんなさい未読… |
義経を討て
童門冬二 |
潮出版社 |
ハードカバー |
2005 |
|
義経…そなたは最後まで美しく舞い続けた蝸牛だった。――兄弟相剋を仕掛けた後白河法皇の深謀
頼朝と義経の兄弟仲を裂いた張本人・後白河法皇の「素顔」に迫る!小説というより実用書のようなシンプルな内容で、「日本一の大天狗」の政治的タテマエ、その裏にある情緒的なホンネについてわかりやすい分析がなされています。シャイで無垢で「柔らかい心」をもつ義経に安らぎとシンパシーを覚えていた法皇は、政治家として彼を冷徹に切り捨てつつも、一個人としては深く愛していた…。古きよき世とともに滅びた同志として、法皇&義経は意外に名コンビかもしれません。
★★★ |